CRSレポート 坂本悦子 小野永保子

12/5/2013

(誘導瞑想)

Aさん  高校生の息子のことを、以前より引いて見られるようになって嬉しいのですが、息子が日本の大学も受験することで、ざわざわする感情を味わいました。日本に願書を出す時に、私はアメリカの郵便事情や色々な事を信頼していないので、「書類の準備は早めにしないと間に合わないよ。」と言っても、息子はぎりぎりになるし、こちらで生まれ育ったので、日本へ郵便を送る方法も知らないし、私は日本で育ってこちらに来たので、両方の国の事を分かっているからと思って、余計に心配になりました。受験して落ちるのであれば、納得がいくのですが、その前の段階で書類が届いていなかったり、自分たちの不手際で不合格になるほど嫌な事はありません。そうすると、息子に任せないで、自分がどんどんやっていきたいという、いつものパターンになり、郵便の事もそうですが、不安の種を見つけては、自分でストーリーを作り上げて、悪い方へ悪い方へと、どんどん膨らませていきました。結局、書類はちゃんと届いて、落ち着いたのですが、そこにいくまでの過程で、色々な葛藤が出たり、慌てたりしました。これからも、そういう事を、もっと少なくしていきたいし、息子をもっと信頼していきたいと思っています。

永保子  ギリギリまで準備しないし、私より出来ないと決めてスタートすると、郵便事情や、その他色々な事が信用できないというのを、望んでいるかのように経験していくかもしれませんね。失敗したり間違えたりしないように、私が主導権を持ってやらなくちゃとなると、息子さんを、弱い存在に閉じ込めて縛ってしまうので、全て良きことを経験していくチャンスだと受け取って、息子さんの真の力を見たいんだという心に戻すと、見えてくる経験も違ってくると思います。信頼が先にあると、お互いに協力して最高のものを創ろうという風になると思うし、思いがけない場面で、様々な人に助けてもらう経験をして驚くこともあると思います。息子さんは、実は、今までも今回のことでも、りっぱにやってくれたことが、たくさんあったのではないかなと思います。

Bさん  私のところも高校生で、勉強がとても大変なので、私は余りあれこれと言わないようにしています。本人は頑張っているけれど、学校での人間関係や、将来への不安や、アイディンティティーのことで揺れたりと、色々とあるのだと思います。子供は家に帰ると疲れきって、身の回りの事はしないで寝てしまいます。私はそろそろ自分の事もしたいと思って、色々行動もしていますが、子供にも、友達をいっぱい作って、楽しんで学校に行ってくれればと、思いすぎているところがあるかもしれません。

悦子  16、17歳の思春期の頃は、すごく眠くなる傾向があるようなので、睡眠を充分に取る事も大事な時期だと考えて、見てあげる事ですね。お子さんは、年齢的に難しい時期にいますし、お母さんはご自分の世界も広げて生きたいでしょうし、自分の事も分かって欲しいし、お子さんにはもう自立して欲しいと思われていますが、その両方の思いとお嬢さんの受け止め方に少しずれが出て来ているのかも知れないですね。お母さんが外に出て行っても、ご自分が経験されたことや思いを、お子さんとお話しする時間を作ってみてはいかがでしょうか。

永保子  何か困っている状況を見るのは、私たちの心の奥に、見るべき事があるからだと思うのですが、お子さんはお母さんを心から愛しているので、お母さんの思いを映して見せてくれているのかもしれませんね。子どもがこうで・・という風に見るのをやめて、お子さんの心にただ寄り添うことに、お互いを励ましていく力があることを、Bさんも一緒に経験されたいのではないかなと思います。それと、お子さんの状況に合わせて行動するのではなくて、お母さんもご自分の毎日を清々しく生きようという風にされると、お子さんの強さも、ちゃんと感じられるのではないでしょうか。私たちは、子どもの勉強だけは外せないとなると、自分や子供の気持ちに目をつぶってしまうところがありますよね。

Cさん  私も子供に、健康でたくさんの友達と仲良くして欲しいと思いますが、その奥には、学校に行っているからには、勉強もできて欲しいと思っていて、私の場合、それを否定できないので、そのたびに心をもどします。(ここで、小さいお子さんのおもちゃの取り合いがあり、それを受けて。)子どもがおもちゃの取り合いをしても、もっと広く自分を見ていいんだなと思います。子供が小さいときは特に「取る方」と「取られる方」で、親の受け取り方に違いを見てしまうし、渦中にいる時は、自分の子供が、他の子供のおもちゃを取るより、取られる方がまだ気楽でいいと思ったこともありました。子供のやり取りに対して、わたしの判断を手放してからでないと、言葉にも行動にも移せないなと思います。

Eさん 1歳の息子が、自分より小さい子供と一緒にいると、手が出てしまって、泣かせてしまいます。相手のお母さんは「大丈夫よ。」と言ってくれるのですが、わたしがちゃんと見ていなくてごめんなさいという気持ちや、他のお母さんが、うちの子供に「目は危ないから、・・しようね。」という風に話しかけているのを聞くと、本当は自分が子どもに言わなくてはいけなかったのにと思います。
 
Fさん  1歳9ヶ月の息子が、この一月の間に、お友達の物を全部取って、独り占めするようになって、私はその度にすごく焦ります。息子が誰かをたたいてしまった時、叱らなければと思って、「どうして、そういうことをするの。」と、すぐに怒ってしまいます。他にやり方があるのではと考えているのですが・・。

Dさん  難しい事ですが、子供たち本人が助けを求めるまで、親たちは待つことが大切かなと思います。日本人同士のプレイデートでは、気を使い合っていることが多いので、すごく大変ですが、子どもたちを見守ってあげる勇気と環境を作ってあげたいと思います。

永保子  怒りや、焦りや、もどかしさや、人からどう思われるかという緊張感は、全部自分で作っているものなので、目の前の状況とは全く関係ないというのを心に置くと、いけないことはいけないと伝える時に、毅然としていられると思います。子どもには、そういう時期があると受け入れると、その状況から必ず抜けられます。子育てを通して、私たちが忍耐と寛容を学んで育てられているのだなと思います。怒りに任せてばかりで、幼い子が、意味がわからないまま、人の顔色を見て行動を決めるようになると残念ですよね。それでも、怒りが溢れ出る時は、自分が一杯一杯になっているというサインなので、「助けて」とお願いするしかないと思うし、子育ての主導権が自分にあると思って子供にのめり込むと、周りを遠ざけて、自分も子どもも閉じ込めるので、心を開いて、お願いできるといいですよね。  

悦子 お子さんに、どうしてそうしたのか、聞いてあげることですね。小さい時は口では説明できないと思いますが、答えられなくても、お母さんがその時々で「どうして叩いたの?」と聞いてあげる事で、子供も「どうしてなんだろう。」と考えることが出来るようなってきますよ。自分でだんだんと、それがいけない事だと考えられるようになるのではないでしょうか。自分の中で一杯一杯になったら、ご主人に預けて、2、3時間でもいいから外に出てしまってもいいと思いますよ。お願いして外に出て、違う空気にあたって、また戻ったら気分を変えて始めてみるといいですね。

Aさん   私は子供が凄く小さい時から,何故叩く事がいけないのか、理論的に説明していました。感情的に「ダメッ」と怒る事もありましたが、2歳の時から、叩くことはなぜいけないか、人は叩かれたら痛いし、そうではない表現方法があると話しました。それは自分にとっても良いことで、子供に言い聞かせると、必ず伝わることがあるし、自分の怒りの感情も落ち着いていきました。

悦子  繰り返し繰り返し、お子さんに、それがなぜいけないことなのか、心でお話していくことですね。

Dさん   一年生の息子は、誕生日が遅いのと、性格的におっとりしているので、周りからは、とても良い子で子育てが簡単そうねと言われますが、発達障害のグレーゾーンと言われていて、実際はとても大変な状況です。頭の中では、この子は大丈夫だと分かっていても、先生から「今日はこうだったわよ。」と聞くと、その事に凄く反応してしまって、まるで先生のクラス運営のために動いているような自分がいます。息子のセラピストを捜すために走り回ったり、もっといい学校があるのではないかと調べたり、エバリュエーション(査定)を受けたほうがいいかとか、私が知らない事、見えていない物があるのじゃないか、もしそれがわかれば、彼はもっと良くなるのではと、葛藤の繰り返しです。最後は必ず、彼は大丈夫なのだと行き着くのですが、そのサイクルにどうしてもはまってしまいます。子育てが6年めになったのに、このサイクルをどうして抜け出せないのだろうと思うし、息子を引きずり回しているような気がして、本当に彼のためになっているのだろうかと思います。

Cさん  私の息子も1年生の時に読み書きが少し遅れていて、IEP(個別指導計画の教育プログラム)を受ける事になったのですが、最近になってやっと、それを受けて良かったという思いになりました。私が子どもの本当の姿を見ていないから、最初は、そのプログラム自体を悪いものとして感じていました。

 

悦子  最初に、親がそういったプログラムをどう受け入れるかですね。他のお子さんと違うのではないかという思いから始まる葛藤があるということですが、お子さんはそれぞれ良いところを持っているんです。アメリカの学校は、日本の学校と違って、学校の中に色々なサポートがあります。スピーチセラピーや、読み書きのサポートや、怒りの感情をコントロールするセラピーもあります。小さい時は、発達の早さはバラバラで、年齢とともにクリア出来ることもあるので、そういうプログラムに早くから入れて、管理をすることが本当にいいのかとも感じます。

Dさん  どんなプログラムがあるか、どんな先生がいるか、気がつくとそんな事ばかり調べて、先生よりも詳しくなりました。すると、他のお子さんのこともそういう目で見てしまったりして、子供を生活態度からしか見ていない自分に気づいてハッとすることがあります。

Aさん  そうやって調べて経験されたことが、日本とアメリカの教育の違いの狭間で悩んでいる人を助けられることもあると思うし、いつか、Dさんが経験されたことを、与えていく事も出来ると思いますよ。

Dさん  今は勉強もついていっているのだけれど、後で大変な事になってしまうのではという、恐れが私の中にあります。本人は学校が好きで喜んで通っているし、元々自己尊重の気持ちがある子ですが、これから先もし、勉強の遅れだけだったらいいけれど、その結果、彼がアンハッピーになってしまったらと凄く恐いです。彼が大人になって社会の中で生きていくためのヘルプをするのが親の勤めだと思うと、どこまで親が介入していったらいいのか、さじ加減がわかりません。

永保子  今まで本当によく頑張って来られたと思います。私たちは、どうしよう、これじゃ駄目かも、もっといい方法があるかもと、心が滑ってしまうので、そうではなかったという心に戻すことを常にしていたいと思います。何かに追いつかなくてはという生き方ではなくて、一時的にゆっくり歩いている人と、少し先に行っている人が手をつないで励ましあっている社会を見ていきたいですね。

悦子   先ほどのお話で出たように、私たち、特にお母さんたちの中には、どこかで、勉強ができる子でいて欲しいし、枠組みの中で上手くやって欲しいというのがありますね。だから、駄目な事を数えはじめてしまうのですね。

Cさん  息子に、「他の子もやっているからやってみる?」と誘うと、息子が、「皆、一緒じゃなくてもいい。」と言うので、本当にそうだなと思いました。楽しいからやろうと誘っているようで、私の心の奥に、皆がやっているからというのがあったと思います。先生とのミーティングでも、自分が穏やかな気持ちで行っていないから、先生に言われた事全部に反応して、私は、先生のことも子供のことも知っているという思いがあって、ちゃんと見ていないから、先生にこんな風に言われたと、自分で自分を傷つけていました。ミーティングの前に、何を目的にして行くのかという風に、何度も自分の心を見つめるようにしたら、数を重ねるごとに、先生の話を落ち着いて聞けるようになって、そのことに気づいた時、子どものIPEのプラグラムが終了しました。その最中に、安心感を持てる先生に支えられてきました。

永保子  Cさんが話してくださったように、ミーティングに行く時の自分の心の状態で、受け取り方が違ってきますよね。先生は、お母さんにも手伝ってくださいということを伝えているだけかもしれないですね。子どもがお世話になるのを、自分が足りないからと思うと辛いけれど、息子さんがクラスにいるのは、先生にとっても他のお子さんにとっても、最高に良いことだと思いますよ。私たちにできることは、愛を差し出すことと、愛を受け取ることだけだと思い出してから出かけていくと、心が支えられると思います。

Dさん  そうですね。初めから心が「すみません・・」という風になっているのですね。他の子供もいるのに、先生に迷惑をかけて、手間をかけさせているというのがあって、申し訳ないのです。

Cさん  私も、申し訳ないという思いがありましたが、先生から、息子がクラスにいてくれてすごく嬉しいと言ってもらったことで支えられました。その先生は、子どもには厳しいし、親にも「あなたたちの手伝いがないと、この子達は困るのよ!」とおっしゃるので、そう言われると一瞬痛いけれど、それは、先生がちゃんと子どもを見てくださっているからですよね。 

悦子  他のお子さんより、よく見ていただけて感謝だという気持ちでいると良いと思いますよ。お子さんは、本当に迷惑はかけていないですから・・。

永保子  私も、自分の子供だけを見て動揺している心を持ち続けるのは苦しいし、目の前の状況は、もうそうなっているのだから受け入れるしかないし、だったら、子どもと関わる全てを愛そうと決めると、みなさんが一緒に考えてくださるということがありました。子どもたち全員が、素晴らしさをいただいているので、たとえ迷惑をかけても、その子がそこにいるだけで、何らかの素晴らしさをシェアをしているはずだから、そのことをちゃんと見たいと思っています。

Aさん  クラスに何度も入って、彼が楽しそうにしている姿を確認するまで、とことんやってみればいいと思います。また迷惑をかけているのかなと、クラスから出たり、また入ったりを繰りかえさなければ、どれだけ愛されているかがわかるだろうし、本当に合わないなら、それもわかるようになると思います。
もう1年生だからしっかりさせなくてはという思い込みは全く必要ないと思います。その子なりのスピードがあるから、そんなに急いで無理して、しっかりさせようとしなくてもいいのではないでしょうか。これからも長いですよ、いろんなことがありますから。

Dさん  補うことばかり考えていたなと思います。何か大きな安心できるものが奥にあるというのを感じていくということかなと思い始めています。

Cさん そうですね。個人懇談で、自分がドキっとした時は、また間違えたと思って、私は先生と大事な時間を過ごしたいのだという事を思い出して、ありがとうございました、という気持ちで参加しています。それを相手に伝えて見返りを求めるというのではなくて、自分をゆるして、自分の中で確認するということなので、間違えたと思う時には、私はどっちを選びたいの?と思うと、幸せでいたいんたいんだとわかります。

悦子  訂正していくということですね。息子さんと幸せになりたいのか、ネガティブな気持ちを持ち続けたいのか、どちらを選びたいのかということですね。

Eさん 最近、主人に対して、冷たくすることがあります。その雰囲気を子供も感じるようなので、気持ちを変えなければと思っています。主人は私の事を求めていると感じるし、私も彼と一緒にやって行きたいし、助けてもらいたいのですが、彼は仕事から帰るととても疲れているようで、家事や育児をお願いしたくても難しいです。私は出かけるのが好きで、子どもを外で思い切り遊ばせたいし、彼にも色々楽しんで貰いたいと思っていますが、主人はお休みの日はTVを見ています。私は、NYの経験をもう少し楽しみたいと思っているので、先月から自然に、主人が子どもを見てくれると言って、私一人で出かけられるようになったことは良かったと思います。
(ここで香咲先生が参加されて、まもなくご帰国のEさんにお話してくださいました。)

香咲先生   Eさんは、ご主人に対して色々な文句があると思いますが、文句を持ち続けるとしたら、一生持つことになります。文句を持たないことにするか、一生文句を持って生活するかのどちらかに、今、決めなくてはなりません。文句を持たないというのは、そのままの彼を受け入れるしかないということです。これからお子さんが大きくなると、教育の問題も出てくるし、文句はますます出てきますね。だから、文句が出そうな時は、何に感謝できるかしらということに、心を戻さないといけませんね。TVばかり見ていて、ご自分の生きる喜びがないとおっしゃっていたご主人が、50歳になって変わられたということもありました。多彩な趣味を持って、奥さまをリードして色々な場所に出かけるようになられました。本当に、いつ何が起こるか分からないですね。でも、Eさんご自身の毎日は、今、変えられるということです。

Eさん  そうですね。香咲先生にお話していただいたことや、ここで助けられたことがたくさんありますので、それを日本に持って帰りたいと思います。ありがとうございました。


次回は、1月9日(木)正午からです。(第2木曜日ですので、お気をつけください。)

お会いできることを、楽しみにしています。

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