CRSレポート⑪ 小野永保子 坂本悦子

悦子 

前回から、心の変化がありましたか?

Aさん 

今までより笑うことが多くなったように思います。今までカリカリしていたから、子供たちが同じことを言っていても笑えなかった・・。でも最近は子供たちが言うことをおもしろいなぁと思って聞いています。

悦子 

Aさんも少し心に余裕がでてきたのかしら?

Aさん 

以前のことを思い出しました。結婚当初、すごく孤独だったのです。彼もとても忙しかったから。ずっと遠距離恋愛をしていて、やっと結婚出来たのにと泣いたりして、私は彼に弱いと言われ続けていたから・・。でも人に聞いてもらったりして、ホームシックになったりしたことを、「それはそうなるわね」と認めてもらえたので、ああ、私は間違っていなかったのだと思えました。

永保子

過去ってお付き合いすると、いっぱい出てくるのよね、それを無いものとして無視する訳にはいかないし、過去に没頭しているとそこにすごいエネルギーがあるように感じるのよね。でもそれをタイミングとして、感情を解放する機会があるということは大切にした方が良いかもしれませんね。

ただ、過去のことを掘っていくと、そこからどんどんドラマが出てきて、完全に過去を解決していこうというのは不可能ですね。だから、やっぱり感情に寄り添ってもらって手放したら、今にフォーカスするという心の筋肉が必要よね。

Aさん

彼の大学院修了の証書が届いていて、額に入れるのに、家にあったものを使おうとしたら、それを夫が見ていて、「おいおい、賞状ぐらいちゃんとしようよ」と言って、私は何故自分がやらなくちゃいけないのか、という話から、私は家の掃除とか食事とか子供の事とかをやるのはいいけど、夫のことなのにどうして私がやらないといけないの、と思ってしまいます。結婚前に付き合っていたとき、私は大学生で彼は仕事をしていたから、お金のことは自分(彼)に任せてって、私は洗濯とかをやってと・・。その時は一緒に住んでいた訳じゃないし、結婚していないのに家のことをやってねと言われて、何で?という感じで、疑問に思っていました。結婚してからは、何もしなくていいよという風に変わったのです。家事や、私がしたくないものはしなくていいと・・。

Bさん

Aさんの裁量でやっていけばいいということだったのよね。

Aさん

そうは言われているけど、結局はやって欲しい感じだし、そういう風になった時に、彼は、「自分は会社の経営のパートナーになりたくて、これだけ頑張っているし、パートナーの奥さんたちを見ていると、昭和の女性みたいじゃないと上手くいっていないし、強い女の人だとみんな別れているよ。」って言って、わたしのことを、「君はそういうタイプじゃないんだね」って言った時があって、私を強い人って思っているみたい。尽くすタイプじゃないというか・・。

永保子

Aさんご自身が混乱しているのよね。自分はどうありたいのか、自分はどうしたいのか、っていうことにまず戻りたいのよね。そうじゃないとご主人が、過去こう言ったし、結婚する前はこう言ったし、今はこう言っているし、あと世間ではこうでああでって言っているし、と際限がなくなるわよね。彼とは話してみたの?

Aさん

彼は忙しいし、それについてもし私が彼に話したところで、そんなところまで怠けたいの?って、言われたこともあるし・・。だから結局は、私にやって欲しいんだろうな、というところがあるのだと思う。というより、私に家のことや彼の世話もやるべきなんだと、思っているんだと思う。

永保子

喜びでやっていると、どんな内容であっても「ああ嬉しい」と回っていくと思うのね。でも、あなたがやらないから、私が犠牲になってやらなくちゃいけないでしょ!とやっていると、いつも監視されて見られているようで、不安になるのではないかな?

悦子

「べき」と思ってやると、心から自分が楽しんでいる訳じゃないから、近くにいる人には伝わっちゃうのよね、その波動が・・。

永保子

どこかで、あなたもやってという思いがありながらしていると、私は、ほらやってるでしょ、こんなに頑張っているのよ、という思いが出てくるのよね。あなたも手伝ってって、行動で見せるのじゃなくて、ほんとうに「助けて」って気持ちでお願いすることができるといいわね。

心を受けとってもらう、心を差し出すということをやってみるといいわね。自分に優しくできることを楽しめるようにしていこうと変えていいのだけど、 Aさんが変えられない、ここがポイントだと思うのです。どんなにご主人が忙しくて、手伝ってもらえない状況でもこれだけは、どうしてもやらなくてはいけない、と考えると苦しいわよね。

Cさんも。ご主人がとてもお忙しくて、その中で、家事や育児をしてこられたと思うのですが、 どう思われますか?

Cさん

私の場合は、上の子に手がすごくかかったけれど、主人はほとんど海外に出張が多くて、私は現地の言葉も分からなくて、本当に追いつめられていました。

でもアドバイスをくださる方がいて、その時に彼とコミュニケーションをとってみて、あなたが思っている不満を言ってみたら、と言われて。でも私はそんなことを言ったら、もうおしまいになってしまうと。でもその方は、主人は私が思っている以上に分かってくれる人だから言って見なさいと。

私はあまりそうしたことを言わないタイプだったのですね、不満とかを。ああ、言えるんだって思って。これが無かったら、本当にこの家族最後だと思って、子供の前で喧嘩とか見せたくなかったので、クロゼットの中で言ったのです、私はこう思っているって。

主人は自分のお母さんのことを天使だと思っていて、それを傷つける訳にはいかないし、と思ったけど、私にとっては天使ではなかったから、そのこともすべて話すしかないとクロゼットのなかで話したのです。涙ながらに話したら、あっけにとられちゃって、それまで私が文句を言うことも無かったから。

向こうはそんなこと聞きたくないという感じで、これでおしまいかなって思ったら、翌日からガラッと彼が変わったのです。変わったといっても、早く帰宅する訳ではないのですが、何が変わったというと、言葉に愛情を感じるようになって、彼も言ってくれたのですね、本当は手伝いたいし、有り難いと思っているって、自分がこう出来るのは私が家を守っているからって。その時を境に変わったのです。本当にあの時はどうしようかと、こんなの耐えられないって。

海外で言葉は通じないし、上の子はまだ5歳なのに言葉は全然でないし、どうなってしまうのだろうと。私の心配事は長男だと思っていたけど、実は主人との関係だったのです。でも素直に自分の弱みを見せられたのが、良かったと思います。「私一人で出来る」って思っていたほど気が強かったから。「助けて」って素直に言えて、私の家族は随分変わったのです。

そしてその15年後には、夫が、ママが帰ってくる前に掃除をしようって言うまでになりました。ある人に言われたのです、「男の人も本当は寂しいのよ」って。上の子も色々障害があって、お母さんは頑張ろうと思えるけど、男の人は傷ついてしまうのよ、って。今だから言えるけど、男の人ってスキンシップがものすごく大切だと、言われました。あなたは今触りたくもない、しゃべるのも嫌と思っているかもしれないけど、ものすごく大事だと言われて。そんなことがありました。

悦子

だから自分で被害者って思わないで、コミュニケーションをとらないといけないですね。それは相手に自分はこれだけやっているのだから認めて!っていうのではなく、心から伝える。私は心から必要としている、だから助けて欲しいと。 Aさんは伝えないといけないですね。

Cさん

アドバイスくれた方は、とても賢い方で、向こうが愛を欲しいとは言わなかったのね。ただ素直に「助けて」って言ったら、それを受け止められる方ですよ、彼は、と。

私は冗談じゃないわ、私は大変なのよっていう気持ちでしたから、目が吊り上がって、「言えません、そんなこと」って。「だって、こっちが大変なのに何で私が〜〜!って思ってたから。

悦子

Cさんもそんな時があったのですね。お互いに自分がいっぱいいっぱいの時って、相手もいっぱいいっぱいの時なのですね。

Cさん

そうなのです。向こうも私がいっぱいいっぱいだというのを分かっているけど、負けられないというか。

Aさん

そうですね。主人も私がいっぱいいっぱいなのは分かっていたけど、自分は何も出来なかったって。

永保子

Aさんが一抜けたってやれるといいわね。

Cさん

そうなのよ、私の時はすごいジャンプだった。たぶん弱みを見せるのが怖かったのかも。その時、彼に自分がすごく辛いっていうのが、ものすごくハードル高かったのですよ。

悦子

家庭内で、自分自身が優先順位をつけているということもありませんか? 家庭はママは自分が守っているという気持ちがあるし、男の人は男の人で自分が守っていると思っているだろうし、ここは私の領域とパワー同士がぶつかり合ってしまっている。本当だったら、一緒に手をとってやらなくちゃいけないのに、自分の方が〜〜とやっていると、そこに色々な亀裂が生まれてしまう。パワー同士であたると、どうしてもはじけてしまいますね。

Cさん

そうですね、あそこで「助けて」って言えたから、通じたのですね。

(続く)

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