「うまれるってうれしいな」 文・堤江実 絵・杉田明維子

作者の堤江実さんは、長年にわたり世界の戦争の現状を訴え、平和に心を寄せることをなさっておられます。そしてこの本では、与えられた命を心からまっすぐに喜び、讃えておられます。主人公の男の子は、「聖らかな思いと幸福だけが満ちているところからこの世界に降りて来て、悲しみも、寂しさも、怒りも、憎しみも全部感じて、そこに愛を経験し光を見るために、出会い、許し、つながりあう」(本文より)ということをしていきます。

 杉田明維子さんの絵は、とても温かく柔らかく、心の光を強く放っていらしゃるように感じました。杉田さんが常に平和を祈りながら描かれていらっしゃるように思うのです。私(小野)は、杉田さんに2012年の夏にお目にかかったことがあります。ある会場で偶然(偶然はないのでしょうが)お隣の席に座らせていただき、お話しする機会がありました。後に、杉田さんが、私がかつて働いていた画廊で尊敬していた彫刻家の佐藤忠良氏に、その絵を讃えられている方だと知りました。

ー堤さんのあとがきより

 ひとはみな 愛することを学び、魂を磨いて、よりよい自分を育てるための旅をするために、この世に生まれます。勇気をもって生まれてくる世界中のあかちゃんがみな、いのちにあふれ、喜びにみち、幸せでいられるようなそして、世界中を光で満たすことができるような、そんな、美しく平和な地球であってほしいと祈ります。 

 堤さんは戦後70年目の今年、平和への問いかけを声に出し、詩集「つたえたいことがあります」を出版されました。その中から一つの詩をご紹介します。

  「ものさし」   どちらが正しいか正しくないか   どちらが善いか悪いか   どちらが優れているか劣っているか   そんなまっすぐなものさしでは   世界を計ることはできません   空のひろさ   空の大きさ   空の深さを計るには   人の美しさ   人のいとしさ   人の尊さを計るには   まあるい愛のものさしが必要です

  堤江実

 自分自身の心に平和を育むこと。子育てにおいても何においても、それが世界の未来に責任を持つということではないかと、あらためて思います。

管理人 小野

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