訪問看護の現場から #2
子育てをしながら、訪問看護の仕事をしているBさんの分かちあいです。
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看護へ行かせて頂いている認知症のあるお婆様は、いつも私がインターホンを鳴らすと、玄関先まで飛んで出て来られます。
高齢で急に身体を動かすと息切れもあるため、
「ゆっくり出てきて大丈夫だから」とお伝えするのですが、
「年をとって、もたもたしていたら迷惑をかけるでしょ?だから、少しでも人の役にたちたいとは思っているの」
と、真っ直ぐなお気持ちで伝えてこられます。
今こうやって話した内容は確かに直ぐに忘れてしまわれるのだけど、この方の優しさや思いやりはいつだってここに生き生きとあるのだと胸が熱くなりました。
熱くなったこころから、
「〇〇さんは、こうしていて下さるだけで、本当にもう十分役に立っていらっしゃるし、ご主人が一番そう思われていますよ。」
という言葉がこぼれてきたのでお伝えすると、
「主人がそんな風に思ってくれていたなんて知らなかったわ」
と、ぽろぽろ、ぽろぽろと涙を流されました。
愛されるためにこの身体を使うのではなく、すでに愛されていたというこころで、
この身体を使っていただけますように。5月26日

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